2008年01月31日

マクドナルド問題、もう一つの視点

tacさん

判決文のアップご連絡ありがとうございました。


以下、tacさんのブログより一部抜粋

マクドナルド直営店店長の管理監督者性を否定する判決の根拠

A.権限
1)人事考課の実施・アルバイトの雇用など労務管理
  の一端は担っているものの、店長候補を雇用する
  権限までは持たない
2)36協定を労働者代表と締結する権限は持っているが、
  店長自身は、経営が設定する店舗営業時間に労働
  時間をあわせて働くことが余儀なくされ、自由裁量
  がない
3)重要な会議には出席しているが、経営の意思決定
  プロセスに参加しているとは言えない

B.勤務態様
1)権限上は自分の労働時間は自由に決定できるが、
  シフトマネージャーとしての出勤により時間外労働
  を余儀なくされ、自由裁量は無い
2)経営から示されるマニュアルに従って労務管理と
  店舗運営を行う立場にとどまる

C.処遇
1)下位のファーストアシスタントマネージャーの給与
  と大差がないし、評価によっては逆転する場合も
  ある
2)店長に対するインセンティブプランは代償措置とは
  ならない




今日は少し、管理・監督者の判断基準を体系的にまとめてみました。


1.監督署により判断基準(昭和63・3・14基発150号)
@労働基準の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にある
もの(上記、判例根拠 A 権限)

A上記@に該当するかは、名称にとらわれず、実質的に管理・監督者
としての権限と地位が与えられ(上記、判例根拠 A 権限)

B出社退社等労働時間について厳格な制限を受けず
(上記、判例根拠 B 勤務態様)

Cその地位に賃金面での処遇が基本給や手当、賞与の面でなされて
いる(上記、判例根拠 Cの処遇)

等々実態に即し総合的に判断するものと一般的に考えられておりま

す。


2.裁判所での判断
@静岡銀行事件(静岡地判昭和53・3・28)
通常の就業時間に拘束されて出退勤の自由がなく、また部下の人事や
考課に関与したり銀行の機密事項に関与することもなく、経営者と一体となって銀行経営を左右する仕事に携わっていない銀行の支店長代理は、管理・監督者に該当しない。

Aレストラン「ビュッフェ」事件(大阪地判昭和61・7・30)
ファミリーレストランの店長も出退勤時間を管理されているなどの場合には該当しない。

Bほるぷ事件(東京地判平成9・8・1)
販売主任も出退勤時間を管理されているなどの場合には該当しない。

C日本アイティーアイ事件(東京地判平成9・7・28)
紙幣偽造鑑別機の製造販売会社の営業主任は営業部の従業員を統括する立場にあったとはいえ、労働条件の決定その他労務管理について
経営者と一体的な立場にあるものと言えず、該当しない。

D風月荘事件(大阪地判平成13・3・26)
時間管理を受けた会社の重要事項決定に参画することもないカラオケ
店長も該当しない。



上記、行政および裁判所の判断基準で「管理・監督者」を考えると

非常に厳しい条件、いや個人的には‘厳しすぎる’のではと思う。

特に、実際には‘時間的拘束のない管理職’などという概念はほとん

どありえないし、‘経営者と一体的立場にある’ものなどという大そ

れた条件まで付ける必要はあるのか?という疑問をもっている。

だが

一体、法律が求める管理・監督者って何ぼのもんじゃい?

と良識派の俺がいくら叫んでも

法律の世界では既に判例法理として、(昭和63・3・14基発150号)の通

達の内容が、判断基準の標準化として考えられているという事実は変

えられない。


人は‘見たくない現実は見ようとはしない’、すなわち自分にとって

都合がよい現実しか見ようとはしないものであると何処ゾの賢人が言

っていた。


ここで言う、都合の良い現実とは、自社の管理職=法律上の管理監督

者かな。


そう考えると、

マクドナルドは控訴したが、果たして上記に挙げた判決の根拠を覆す

ことが高裁で可能であろうか?


個人的には、興味あるところだが、いくら有能で敏腕の弁護士を揃え

たとしても、根拠を覆すことは難しいと思う。



仮に10歩譲って、マックの店長を法律上の管理・監督者として

適用されたとしても、会社は労務管理上、管理職の社員の「労働時間

を管理」
する必要がある。

では何故、このように管理する必要があるかというと、それは働く

人間の健康管理の問題に起因するからである。


現行、行政が求める労務管理の究極の目的は「健康管理」にある。


聞くところによると、くだんのマックの店長は月次の時間外労働が


100時間を越えているという。


100時間である、これは精神疾患の原因となるような長時間労働

となる一つの目安の時間である。


管理職であるという理由により、月100時間を超える時間外を

超える就業環境というものは、果たして健全な労務管理と呼べるもの

のであろうか?


会社もそこで働く従業員双方にとって、あまりにもリスクが多すぎ

る就業環境だ。


今春3月に施行される労働契約法の第5条で、

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保

しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。


という条文を置き、会社の安全配慮義務は労働契約の締結それ自体

によって生じることが明確になった点は、長時間労働、偽装管理職

等の問題を抱えている、多くの企業経営者、実務家にとって労務管理

上、見逃してはならない、法律の条文になってくるような気がする。





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posted by 人事屋ジンベイ at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働法務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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