2007年10月03日

添乗員に残業代を払え! 

社労士受験時代、労基法でさっぱり分らなかった条文があった。

それは、38条の2の事業場外のみなし労働。

何回もこの条文を読み返し、先生にもしつこく質問し説明を受け

たが結局、チンプンカンプンのまま受験に望んだ記憶がある。

さて7年経った今はどうであるかというと、さほど条文の理解の

程度は変わってはいない。


そんなところ、今日この事業場外のみなしに関して三田労基署より

阪急交通社の子会社である阪急トラベルサポートに対し是正勧告・

指導が出たという興味深い記事をネットで見つけた。


その内容はというと、

労基署へ申告したのは、阪急トラベルサポートの登録型派遣として

働いていた“添乗員”6人で、事業場外のみなし労働を理由に

残業代不払いとしていた過去2年間の添乗時の残業代を支払え

というもので、そしてその申告に対して三田労基署は10月1日に

同社社長に37条違反による是正勧告・指導を出したというもの

です。


以下、その是正指導からの抜粋

『添乗業務に従事する派遣労働者の労働時間は、事業場外みなし労働時間の適用をしていると説明がありましたが、事業場外みなし労働時間制の対象となるのは、事業場外で業務に従事し、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間の算定が困難な業務です。貴事業場において、添乗業務に従事する派遣労働者については、アイテナリーや運行指示書によって具体的な指揮を受け、添乗日報により労働時間の把握が可能であること、アイテナリーや運行指示書に定められた旅程通りのサービスが確実に提供されているか否かを管理すること、またサービスの内容の変更が必要な場合における代替サービスの手配その他措置を講ずることを業務としていることから、行程の全期間について明らかに労働を提供しない時間を除いて労務の提供が求められていると認められること、さらに交通機関乗車中であってもマニュアルなどを通じて業務指示が出ていることから、乗車中の時間も労働者が自由に利用できることが保障されている時間とは認められず、当該業務に従事する労働者については事業場外みなし労働時間制の対象とは認められません。』

労働時間を指揮命令下におかれた時間と定義する

と、添乗業務、特に海外添乗の場合は、添乗員の裁量に負う業務が多

く、会社からの指揮命令によるところが少ない。


にもかかわらず、上記指導票によれば、


アイテナリーや運行指示書によって具体的な指揮を受け、添乗日報に

より労働時間の把握が可能であることを論拠に、

事業場外みなし労働時間制の対象とは認められないと結んでいる。


運行指示書によって、指揮命令下におかれるという論拠自体に、疑問

を感じる。


添乗業務が事業場外のみなしの適用外という結論。


であれば、一般企業における全部事業外の典型パターンである出張

も否認される可能性もでてくるのではと邪推する。


ますます、38条の2の事業場外のみなし労働というものが、わから

なくなってきた。


こういう実例から、自分がその是正報告書を実際に書かなければなら

ないという立場で、この条文の意味を再度、考えてみると、結構

いろいろな問題点やアイデアが浮かんでくる。



旅行業界も労働集約型の産業で、労務管理上いろいろな問題を抱えて

いる。

今回の是正勧告は、業界にとって大きな激震になるはずである。

いわゆる、労務上の解決すべき問題が顕在化したということ。

経営者は、潜在化した問題に対してのリスク回避に関しては、なかな

か耳を貸さうとはしないが、いったんその問題が顕在化すると、その

問題解決のための方法論を考えるはずである。

しかし、労働基準法に疎い普通の経営者であれば、その解決策を見出

すのは困難きわまる。

であれば

ここは、法律と実務に精通している社会保険労務士が登場して、その

問題を解決してあげるのが、最適。

そういった意味で、旅行業界への営業、今がチャンスかもしれない。

BUT 俺は勤務社労士。

また勝手に妄想、空想してしまった。

営業はそんなに甘くないとお叱りを受けるかもしれませんが、そこは

勘弁、勘弁。





社団法人日本添乗サービス協会の実体調査アンケート(昨年9月)より

派遣添乗員の実態
●平均労働時間 国内平均14時間、海外では10時間から16時間以上が95%以上
●平均添乗日当 9212円
●平均年収 約230万円
●年間平均添乗日数 134.1日
●男女比 女性80% 男性20%
●年齢 30代45.1% 40代25% 20代23.3%
●家族構成 独身76.1%(女性78.4% 男性66.5%) 既婚者22.3%
●平均勤続年数 7.46年
●セクハラ被害48.1%



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posted by 人事屋ジンベイ at 21:34| Comment(3) | TrackBack(2) | 労働法務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
派遣添乗員に残業代を支給するのであれば、食事代などの支給はカットしてもよいのではないでしょうか。お客様が高いお金を出して楽しんでいる食事や宿泊、温泉、みやげ、交通費用等を添乗員はサイフを出すことなく楽しめます。いわば現物支給なのです。しんどい部分もあるけど、おいしいこともあるから我慢して添乗員をしてきた人はたくさんいます。阪急の訴えた人達はしんどいことばかり訴えている。
Posted by 名無し at 2007年12月01日 15:46
確かに添乗員は、お客様が高いお金を出して楽しんでいる食事や宿泊を自分でお金を払わず得ているケースは多いです。だから、つらい部分があっても楽しいこともあるから我慢している人は多いと思います。

ただ、労働時間の長さやツアー中のプレッシャー、求められる能力や離職率の高さをみると、決していい環境では働いているとはいえません。
生活の中での出費は少なく、給料以上のものを与えられているという考えは、同感です。しかしそれを考慮しても充分な待遇を与えられていないのではと思います。
平均年収230万と言うことは、ボーナスなしの月収20万以下です。保険保障も一切なく、体調を崩したら即無収入というのが現状です。

それでも添乗員はしんどいことばかりを訴えていると思いますか?
私は、現役添乗員です。この仕事が好きですが、体調や収入を考えるともうそろそろ転職を考えなければと思っています。
添乗員の待遇は、ツアー料金の低下の動きの中で、一番削られているものの一つだと思います。明らかに経費削減で添乗員の負担が増えています。
添乗員の待遇が改善されることを望んでやみません。
Posted by 現役添乗員 at 2008年02月21日 19:57
名無しさんへ

確かに添乗員は、お客様が高いお金を出して楽しんでいる食事や宿泊を自分でお金を払わず得ているケースは多いです。だから、つらい部分があっても楽しいこともあるから我慢している人は多いと思います。

ただ、労働時間の長さやツアー中のプレッシャー、求められる能力や離職率の高さをみると、決していい環境では働いているとはいえません。
生活の中での出費は少なく、給料以上のものを与えられているという考えは、同感です。しかしそれを考慮しても充分な待遇を与えられていないのではと思います。
平均年収230万と言うことは、ボーナスなしの月収20万以下です。保険保障も一切なく、体調を崩したら即無収入というのが現状です。

それでも添乗員はしんどいことばかりを訴えていると思いますか?
私は、現役添乗員です。この仕事が好きですが、体調や収入を考えるともうそろそろ転職を考えなければと思っています。
添乗員の待遇は、ツアー料金の低下の動きの中で、一番削られているものの一つだと思います。明らかに経費削減で添乗員の負担が増えています。
添乗員の待遇が改善されることを望んでやみません。
Posted by at 2008年02月21日 19:57
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Tracked: 2007-10-04 00:37

添乗員の平均年収は230万円とみなし労働
Excerpt: 添乗員の平均年収について書かれていたページがあったのでご紹介します。 記事元はエコノミスト*練習ちょうさんのブログの 「「みなし労働制」という残業代未払に是正勧告」 と 勤務社労士、秘かに起業を考え..
Weblog: 平均年収をあげよう
Tracked: 2007-10-05 10:12
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